金融ワカラナイ女子による、
ワカラナイ女子のための金融コミュニティ
身近な家計管理から世界経済まで、広い意味での「金融」をテーマに勉強する女子会を開催しています。女子会は、基本少人数制。同世代や同じ目線の方々が、安心して話せる場所になるよう工夫しています。「自分なりの判断基準」を見つけていくお手伝いをしています。
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コラム
「世界のきん女。」からの連載コラムを担当していた、知子さんから新しいコラムのスタートです!ニューヨークでの生活はいかに...?今回はニューヨークのお仕事編!日本とアメリカだとどんな違いがあるのでしょう?
2020.2.18up!
こんにちは。
きんゆう女子。海外編集部の知子です。
今まで世界のきん女。からの連載を担当していましたが、この度新しい生活が始まりましたのでニューヨークでの生活や日々考えていることをお届けしたいと思います。
今回は第3弾!
前回の内容はこちらから
【1】32歳女子、仕事の都合によりニューヨーカーになりました。
【2】32歳女子、仕事の都合によりニューヨーカーになりました。
ニューヨーク×金融というと、ウォールストリート!と思う方もいらっしゃるかと思いますが、私が勤める資産運用の会社はミッドタウンにあります。実は今、金融機関のオフィスの多くはウォール街以外にあるようです。
私も最近知りましたが、2001年に起きたアメリカ同時多発テロ事件後、ミッドタウンにオフィスを移転する会社が増加したと言われています。
しかし、更にここ5年くらいで、ミッドタウンのオフィス賃料高騰を背景に、ハドソンヤードという今続々と新しい商業施設やオフィスビルが建設されている地域に移動する会社が増えているとか(アマゾンも昨年そこに新オフィスを置くと発表しています)。
そんな移ろいゆく、いつでも忙しない街、ニューヨークで働いて感じたことを綴ってみたいと思います。
ハドソンヤードにあるVesselと呼ばれる不思議な建物。
Photo by Evelyn Akhmerov on Unsplash
通勤中にミッドタウンを歩いていると、ちらほら観光客ではなさそうな、オフィスワーカー風の日本人を見かけます。
ボストンにいた時と違って、毎日数人とはすれ違っているような。
ということで、外務省の直近(令和元年)の海外在留邦人数調査統計を見てみたところ、ニューヨークの都市圏には約48,000人の日本人が住んでおり、都市別在留邦人数では第3位だそう(ちなみに1位ロサンゼルス、2位バンコク。そして5万人弱というのはFC東京の本拠地である味の素スタジアムのキャパシティくらいです)。
道理でトップ50圏外のボストンとの違いを感じるわけです。
さて、ニューヨークで日本人はどうやって働いているのかというと、大部分は日本企業の駐在員だと思われます。
わたしのように現地企業で働く人たちは、労働ビザの取得が難しくなっていることもあり、少数派でしょう。
去年は、ニューヨークで30年以上続いていたお寿司屋さんの寿司田が、寿司職人のビザの更新ができず、お店を閉じるという事態も起きています…。悲しいです。
ニューヨークの中心地であるミッドタウン!
Photo by Clément Falize on Unsplash
そんな中、私が現地企業就職出来たのは運が良かったなぁというのもありますが、MBA留学がカギでした。MBAは、アメリカではキャリアアップのための就職準備学校として考えられているだけあって、多くのMBA生にとっての一大目標は自分の望む職を手に入れること。
学校に企業がリクルーティングしに来るのでそうした機会を利用したり、個人のネットワークを使ってポジションを模索したりと、せっせと就活します。
私の場合は、金融は自分の通っていた学校の卒業生ネットワークがあまり強くないところだったので、ほとんどヘッドハンターや個人的なつながり頼みの職探しでした。
自分のやりたいこと、出来ること、世の中や会社で必要とされていること、この3つが重なる仕事が出来るのが一番だと思っているのですが、そうは問屋が卸さないのが現実。
取捨選択のバランスをどう取ろうかなと考えていたところで、外国で働くことは長期的に自分のなりたい姿にプラスになりそう、という点を重視し、全く違う業界に行くことは辞め、それまで積み重ねてきた経験やスキルを新しい土地で活かすことにチャレンジしようと決めました。
そして、働く先が見つかれば、(学位の種類にもよりますが)一年は学生ビザを延長して働くことができるのです。こうして、働く先とビザの両方を確保したのでした。
さて、今の会社で働き始めて約半年。「ここは日本とそんなに変わらないなぁ」「今までこんな風に感じたことはなかった」と考える場面にしばしば出くわしています。アメリカだから、なのか、会社特有のカルチャーなのか。そこはなんとも言い難いのですが、私からみたアメリカの働き方・その背後にある考え方をいくつか紹介したいと思います。
働き方も個々によって様々。自由度の高い印象があります。
Photo by Shridhar Gupta on Unsplash
日本で働いていると、担当業務が決まってはいるものの、何となくチームのメンバーでお互いが何をしているかを共有し、必要あらば自分の持ち場を越えて他の人の仕事を手伝うといったことは、普通にある光景だと思います。
個人的には、そうすることにより業務の重複や、異なる業務でもシナジーが出るものが見つかったりして、効率化につながるなどプラスの側面があると思っています。一方で、今の会社では「自分の仕事はここからここまで!」というのがしっかり決まっています。
ただ、個々人はその守備範囲内で伸び伸びとやっている雰囲気です。英語では複数の人で仕事を分けて進めることを”Divide and conquer”と言うのですが、それが徹底されているなと思います。
上で書いたように各人の仕事の範囲がしっかりしているアメリカでは、自分に与えられた仕事が出来ていればよし、です。
例えば、与えられた仕事が100だとしたら100するのは当たり前ですが、特段のインセンティブがなければ、そこをもう少し時間や労力をかければ120になると見えていても、100に達した時点で終了、となることが多い気がします。
一方、日本の職場には「良い仕事をする」「他の人のために頑張る」、若干自己犠牲的にもなり得るまでの責任感と言うようなものを持っている人がたくさんいると思っています。
アメリカ人の友人が言うには、”People in Japan actually have some sense of duty to do a good job beyond money (日本人は金銭的なインセンティブを超えて、良い仕事をすることに対する責任感がある)”そうです。なるほどなぁと思いました。
日本では「働き方改革」で残業をしないようにする動きがここ最近で急速に広まっていますね。
私の勤務先は運用会社で、元々労働時間短めな傾向がある(”buy-side hours”、 “buy-side life”と言われています。buy-side(バイサイド)は金融商品を買う側という意味です。)こともあって、だいたい午後5時前後から皆帰り始め、午後7時にはオフィスにほぼ人はいません。
金曜日ともなると、午後4時くらいに店仕舞いの人も出てきます。自分の仕事がきっちり出来ていれば、何時に帰ろうが、お昼休み2時間とろうが、関係ないと言った感じです。
一方で、必要あらば辺りが真っ暗な早朝から出勤したり、国内出張(と言っても西海岸まで行くとフライトは片道六時間程度)に行き朝方に帰ってきてから数時間でまた出社したり、ということも当たり前です。
アメリカ人は日本人よりも働かないイメージがある人もいるかと思いますが、何人でも働く人は働く。そして、アメリカでは働く時間の長短はあまり気にせず、自分のすべきことをきちんと成し遂げるということが行動の物差しになっていて、私もそれはそうあるべきだな、と思っています。
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と、ここまで書いてきて思うのは、アメリカは日本よりも個人主義の傾向が強く、自分のことは自分で責任を持つ、という文化が仕事のスタイルにもよく現れているなということ。
終身雇用という考えはなく、個々人が生き延びるための競争がある。
日本のように周りの人と合わせるように気をつけたり、そうすることを求められたりすることはなく、自分の時間や労力は自分のタスクを遂行するために使われるーそんなドライな世界なのかなと感じます。
街中では、スーツケースを持って階段を登り降りしようとしていたら見知らぬ人が運ぶのを手伝ってくれたり、ドアを開けてくれたりと、小さな助け合いはアメリカの方がたくさんある気がするのですが…。
「diversity とかequality とか表面ではよく言われているけど、結局アメリカはdog eat dog(競争が激しいという意味)の社会なんだから、それを忘れちゃいけない」ーそう念を押された言葉の意味をじわじわと実感する今日この頃です。
日本人は良くも悪くも自然と周りの人を見る性質があると思っているのですが、上に書いたように個人主義社会アメリカではそんなことはありません。
従って、自分が頑張ったことやその成果など、大きな声で主張しなければ周りに気づいてもらえない、認めてもらえない、ということが起きます。
さらに、大きな声で叫んでも、相手が耳を塞いでいたり、声が届かないような遠いところにいれば無駄吠えです。ということで、ちゃんと話を聞いてもらえるように常日頃から積極的に人間関係を作っていく必要が生まれます。ここに常日頃からのコミュニケーションの重要性が現れてくるのです。
個人的な今年の課題は、会社の中でもっとソーシャライズ(日本語でいうと、積極的に人と交流するという感じ)すること。アメリカでは上辺だけでも社交的にふるまうのが普通。
週末前や週末明けは必ず「Do you have any plans for weekend?」「How was your weekend?」と朝一番からテンション高めに聞かれ、「特に何もないんだけど…」と内心思いながらも、差しさわりのないことを笑顔作りながら言うというのは、小さなことですが慣れるまでは若干疲れるものでした(笑)。
さらに、積極的に仕事で直接関わりのある人でもない人でも、コーヒーやランチ等に積極的に誘ったりしてネットワーキングしましょうね、と上席の人から言われます。仕事上のことだけじゃなくパーソナルレベルで相手を知ることにより、信頼関係の構築に役立つから、ということ。
ごもっともです!性格的に積極的に社交するタイプではないのですが、2020年は小さなことからコツコツと自分を変えていくということを目標にしたので、一人でも多くの人と信頼関係を築けるよう、コミュニケーション強化の努力していきます!
Photo by Guido Coppa on Unsplash
最近やっとスマホや非接触式のカードで地下鉄に乗れるようになってきたニューヨーク。
街中には地下鉄が張り巡らされているのはよいのですが、エアコンがないので夏は駅構内が以上に蒸し暑くなる、エスカレーターやエレベーターがない駅が多数、古くてきれいではない、など改善の余地は多々あります。
そんな地下鉄の駅の改札の中を歩いていると、しばしば音楽が聞こえてきます。
そのジャンルも様々。そして、その音楽は駅に設置されたスピーカーから流れてきては…いません。生演奏です。
アコーディオンやギター、バイオリンから、ドラムのようなものやマイクを地下鉄のホームに持ち込んで曲を披露する人々。そして、電車に乗り込んで車内を楽器を弾きながら練り歩き、チップを求めるツワモノまでいます。
【4】に続く。
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