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コラム
シニア世代は資産運用すべきなのか、投資を親に勧めようか悩むという方へ、シニア世代の資産運用について3ヵ月連載のコラムで解説します。共感できる!行動に移したい!と感じてもらえると嬉しいです。
2023.12.16up!
こんにちは!きんゆう女子。ライターのみみです。
前回のコラムでは、65歳から確保できる運用期間やシニア世代の価値観から、シニア世代の資産運用について考えました。
運用期間も十分に確保できることがわかり、親の投資への抵抗感もほどけてきた方へ、今回はシニア世代の資産運用がもたらすメリットについて解説します。シニア世代特有の投資のメリットはどこにあるのでしょうか。金銭面と心理面の両方から4つのメリットを紹介します。
現役世代とシニア世代の決定的な違いは、資産が増えていくか、減っていくかにあります。毎月何万円の貯金や投資をして、少しずつ資産を増やしていく現役世代に対して、リタイア後のシニア世代は少しずつ資産を取り崩し減らしていく生活です。
特に、長年こつこつと老後資金を作ってきた人にとって、取り崩しへの切り替えは慣れないものでしょう。資産寿命はあと何年あるのか、いつ尽きてしまうのかといった不安も抱えることになります。
そこで効果を発揮するのが、運用しながら取り崩す出口戦略です。例えば老後資金として用意した3,000万円を、65歳から月に10万円ずつ取り崩した場合の残高シミュレーションをしてみましょう。
【1】運用なし
90歳で0円
【2】年利1%で運用
90歳で458万円
93歳で0円
【3】年利3%で運用
90歳で1,906万円
100歳で1,186万円
年利1%の運用でも資産寿命は3年延び、3%で運用できれば100歳でも十分に資金が残ります。シニア世代にとってはハイリスクハイリターンの運用でなくても、3%の期待リターンがあれば十分であることがわかる結果です。
このような資産寿命予測は三井住友銀行の「資産寿命シミュレーション」を使うことで簡単に行うことができます。年齢や資産総額、利回りを自由に設定可能なので、家族でシミュレーションしてみましょう。
近年の物価上昇は、スーパーなどへ買い物に行くたびに誰しもひしひしと感じているのではないでしょうか。経済産業省「通商白書2023」によると、日本における物価の総合指数(食料・エネルギーを除く)は2023年1月に前年同月比+4.3%に達し、今日の100万円が1年後も100万円の価値を持っている保証はありません。
インフレを前提にすると、元本保証の預貯金でさえ実質的には元本保証ではなく、投資と同様に値動きリスクにさらされていると捉えられるでしょう。年利数%での運用ができていれば、インフレと一緒に資産額も増加し、相対的に資産が目減りする事態を緩和できます。
一時期デフレが続いていた日本ではインフレ対策に馴染みがないかもしれませんが、資産防衛というメリットも考慮に入れる必要があります。
金銭面だけでなく心理面でのメリットにも目を向けてみましょう。資産の取り崩しが続くリタイア後の生活では、趣味や旅行といったプラスアルファの出費に対して、現役世代より迷いが出てきます。
しかし、運用により資産寿命を延ばし、取り崩し額と資産寿命のバランスを管理していれば、楽しみにお金を使う心の余裕も生まれるはずです。時間の余裕を手に入れたシニア世代にこそ、好きなことにお金も使ってほしいものです。金銭面だけでなく、心の充実にも繋がることは、資産運用の大きなメリットではないでしょうか。
リタイア後、頭を使う機会が減ってしまうのではと、自身の親を心配している人もいるかもしれません。
もちろん個人差はありますが、資産運用には頭の体操というメリットもあります。資産運用をすることによって、自分が保有している商品がどういったものなのか、現在の経済の動向は良いのかなど、運用が社会への関心や好奇心のきっかけになるためです。
日々マーケットのチェックが必要な個別株の売買ではなく、長期で保有する投資信託だとしても、価格の変動やその要因の分析など、資産を通じた社会との繋がりをもたらしてくれるでしょう。
シニア世代が資産運用を行うメリットを4つに分けて紹介しました。
金銭的にも心理的にも豊かな生活を送れるよう、シニア世代の資産運用をぜひ家族で一度考えてみてください。2024年からは新しいNISAが始まります。NISAの枠内で非課税メリットも享受しながら資産運用をスタートする良いタイミングではないでしょうか。
ただし、メリットとデメリットは表裏一体です。シニア世代が気を付けなければいけないポイントもあります。来月のコラムでは、シニア世代が資産運用をするときの注意点について解説します。
(参考)
三井住友銀行「資産寿命シミュレーション」
https://www.smbc.co.jp/kojin/special/lifetime/simulation/simulation.html
経済産業省「通商白書2023」P.30
https://www.meti.go.jp/report/tsuhaku2023/pdf/1-1-3.pdf
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