金融ワカラナイ女子による、
ワカラナイ女子のための金融コミュニティ
身近な家計管理から世界経済まで、広い意味での「金融」をテーマに勉強する女子会を開催しています。女子会は、基本少人数制。同世代や同じ目線の方々が、安心して話せる場所になるよう工夫しています。「自分なりの判断基準」を見つけていくお手伝いをしています。
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取材レポート
9月3日(火)から6日(金)まで東京・丸の内で行われた、「FIN/SUM 2019 -新しい成長の源泉を求めて-」へ行ってきました!*FIN/SUMとは…日本経済新聞社と金融庁が共催する日本最大のフィンテック&レグテック カンファレンスです。
2019.9.19up!
こんにちは!
きんゆう女子。編集部のかなこです。
前編に引き続き、「アフターデジタルで変わるキャッシュレスの世界」というプログラムに参加したレポートを書いていく。
次にお話されていたのは、ビービットの藤井さん。
藤井さんは“デジタルチャイナ”と名高い中国をメインにその先進デジタル環境の背景や、
新たなビジネス競争原理を解説した書籍「アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る」の著者。
今後キャッシュレスをはじめデジタル技術を日本企業にも取り入れようと考えている第一人者だ。
そこには中国と日本のビジネスマンたちと話し合い、
経験から得た知識を皆でシェアし、よりよい未来を創ろうとする強い想いがあった。
藤井さんが重視するのは「日常的に『その人』の状況に寄り添い、より快適にサービスを提供できるか」。
それをデジタル技術で1人でも多くの人が、1つでも多くのことを実現・サポートすることを願っている。
(↓デジタルがリアルを包みこみ、日常生活におけるデジタルとリアルの割合が大きく変わる時代がやってきた)
この話を聞いて私が真っ先に思い浮かべたイメージが執事。
しかも、ハイテクの。
「何も言わなくても私のこと、 わかってほしい」という主人の願いを叶えてくれる。
主人の考えていること、してほしいこと、言ってもらいたいこと、
欲しいものなどをベストなタイミングで提供する。
アイアンマンで例えるならジャーヴィス。
バットマンでいうならアルフレッド。
なんと夢の広がる話だろう! そんな時代になりつつあるのか。
そのような「夢のある未来」のために今の日本に必要なものは何か。
藤井さんの考えは主に2つ。
①生活のすべてがオンラインになる未来への備え
藤井さんの考えでは「これからオフラインがない状態 (世界)がくる」。
すでに日本でもモバイルーつでほぼ全ての行動(飲食や移動、その決済など)ができるようになっているが、
これが将来的には顔認証などになりモバイルすら不要の世界になるらしい。
オフライン行動だった日常生活のすべてがデジタルデータ化し、
個人データに紐づけられることにより、あらゆる行動データが膨大に出てくる。
それによりこれからできることが多様化かつ信頼性の高いものになってくるというのだ。
例えば高い精度でその人の「人物像」がわかる。
これは支払い能力、信用できる行動をとる人物か、
その経済圏において理想的·模範的な人物なのかを評価できるということだ。
現に中国のとある保険会社では加入者が「ネットで問診を無料で受けられる医療機関を探す」
「予約の際、信頼できそうな医師を先に選ぶことができる(その医師の卒業大学、論文歴、評価されたスコアが可視化される)」というサービスが展開されているそうだ。
日本での身近な例で挙げるならば、シェアリングサービスにおいて
「この人、 信用できるの?」という疑問に対し、これからは行動データを活用できるようになる。
人の信用をつなぎ合わせるのにデータがあった方が確かに信頼性は高い。
ロコミよりも信用度という点においては抜群の効果を発揮するだろう。
(↓左に座っているのが司会進行役の津脇慈子キャッシュレス推進室長。経済産業省としての立場からキャッシュレスを広めるために必要なもの、今後改善すべきものは何かを2人に聞く姿が印象的)
②行動データを利用・活用できない企業は負ける時代になる
オンラインリアル=アプリやウェブで 「その人(ターゲット)」がどう行動したのかをふまえてサービスが提供され、それをターゲットが享受する。
そのために必要なものは行動データだけでなく、魅力的なコンテンツ·サービスが必要だと藤井さんは考えている。
今までは活用されていた情報は「属性データ」くらい。
顧客ターゲットの最適化をするに留まっていた。
だが、これからはいろんな行動データが出てくる。
それによってターゲットの状況が可視化できる。
つまりその人の最適なタイミングで
「ほしいモノ」(コンテンツ、言ってほしい・やってほしいことなど) を提供することが可能な時代になる。
これからは最適なターゲットだけでなく、最適なタイミングも重要になってくるというのだ。
行動データは生きている限り日々更新され、その変遷を追いながらリアルタイムで状況を確認できる。
顧客の家族構成、嗜好や考えの変化、年齢を重ねるにつれ移りゆく関心ごと。
こうなると企業競争の焦点はただの製品提供から体験提供(=日常的な良質体験)へ変わらざるを得ない。
中国では「顧客のことをいかに知っているか」が大変重視されている。
行動データに目が行きがちだが、彼らはデータをためるには
多くの人が集まる&ずっと使い続けてくれるそれ相応の魅力的なコンテンツやサービスが絶対不可欠であると考えている。
あくまで「便利か・楽か・使いやすいか・楽しいか」という高品質の体験コンテンツが先、
そのあとに利用者のデータが集まると捉えている。
確かにアリババやテンセントなどが有するコンテンツにはとても魅力的なものが多い。
これは彼らが「体験コンテンツ×行動データ」という方程式を最大限活用している結果だ。
これからデータ取得を見据えた体験コンテンツの競争市場で日本は生きていけるのか。
大量消費・大量生産はもはや過去。
カスタマイズされたモノをハイクオリティ&ローコストで実現させる企業が生き残る時代になるのだと痛切に感じる講義だった。
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