きんゆう女子。

コラム

【5】アメリカ大統領選挙で感じる女性の活躍

「世界のきん女。から」の連載コラムを担当していた知子さんから、コラムが届きました!ニューヨークでの生活はいかに...?

2021.1.14up!

知子

(2020年12月9日執筆時点のお話です)


気付けばもう12月で、ニューヨークでもたまに雪が降る季節になりました。


今年は3月からコロナウイルス・パンデミックに世界中がとらわれ、いつもより時間が早く過ぎ去ってしまったような…。


ニューヨークもまたコロナウイルスの感染が拡大しており、再びレストランの屋内での飲食禁止等、より厳しい行動制限が導入されるかもしれないという局面にあります。


寒さ+コロナで全く外に出る気がしない今日この頃です。


初めてまともにアメリカ大統領選挙をフォロー

さて、コロナウイルス問題はまだまだ続いていますが、アメリカ、そして世界にとっても大きな関心事となったアメリカ大統領選挙は終わりました。


アメリカに住み始めて三年目、人生で初めてまともに候補者同士のディベートや、開票中のニュース中継をテレビで見たりしました。


アメリカの大統領選は、そもそも日本の首相を選ぶプロセスとは大きく異なることに加え、候補者の選挙活動の仕方もかなり違う(立候補をストレートに批判する広告が流れる、今回はバイデン氏と現職のトランプ大統領の第1回のディベートがディベートにならず大荒れとなる等)ので、ニュースの記事や動画等を見てみると面白いと思います。


ダイバーシティ重視のバイデン政権、女性陣の勢いがすごい

さて、バイデン氏の勝利が確実となったことを世界の株式市場も好感したようで、11月以降の株式市場は非常に好調です。


(例えば、アメリカのダウ工業株30種平均は終値ベースで初の3万ドル台をつけ、日経平均は30年ぶりの3万円台突入か、というところまで来ています*。)


バイデン新政権は正式には2021年1月からのスタートになりますが、今閣僚やホワイトハウスの要職の指名が進んでいます。


注目されるのは、バイデン氏が「ダイバーシティ(多様性)」を重視している点だと思います。その筆頭は副大統領になるのはカマラ・ハリス氏で、彼女は女性初の副大統領(しかも白人じゃない)になります。


バイデン政権で彼女と双璧をなすのが、財務長官に指名された、ジャネット・イエレン前米国連邦準備制度理事会(FRB)議長でしょう。


彼女はFRB史上初の女性議長でしたが、今回も史上初の女性財務長官となる予定です(すごいの一言)。


FRBとはアメリカの金融政策*を司る重要な機関です。


*金融政策とは?

政府が行う財政政策と並ぶ経済政策で、一国の経済を円滑に運営するために行われます。単純化すると、経済を回すにはモノが作られ、消費されることが必要ですが、それを支えるためのカネも重要です。そのカネの部分に関して行われる政策運営が金融政策と呼ばれます。



イエレン氏は2014年から2018年の間、FRB議長として、2008年の金融危機(リーマン・ショックで知られています)に対応するために行われた、大規模な金融緩和政策(金利を引き下げ、世の中に出回るお金の量を前代未聞のレベルにまで増やすことで、景気刺激を狙いました)からの出口戦略の難しい舵取りを行いました。


今回は、コロナ禍による景気の大きな落ち込みからの脱却を指揮する重要な役割を担います。


ちなみに、ご主人は2001年ノーベル経済学賞受賞者のジョージ・アカロフ教授です(こちらもすごい)。


その他の経済関連の要職の五分の三が女性、それ以外の男性のうち一人である財務副長官はナイジェリア出身の39歳(就任が確定すれば初の黒人財務副長官)です。


そして、ホワイトハウスの広報関連の要職七名は全て女性(全員女性は初、年齢は30代~40代前半と若めで、ワーキングマザーが四人、白人とそれ以外が半々、同性愛を公認している人も)と、まだ全員の就任確定したわけではないものの、確かにダイバーシティという観点では、これまでの政権とは一線を画す顔ぶれになっているのではないでしょうか。


「初めて」が積み重なって変化してゆく社会

このように、「初の~」という枕言葉がつく人が多いなという印象を受けました。


色々な批判もあるのでしょうが、今までの慣習から外れたことをするのは、覚悟と自信がないとできないことだと思うので、それだけでもこのバイデン新政権の取組はある程度評価されてもいいのかな、と個人的には思います。


とあるポッドキャストでヒラリー・クリントン(2016年の民主党大統領候補、クリントン元大統領夫人)がこんなことを語っていました。


「私たちが子供の時、働く女性といえば教師か図書館司書くらいしか見たことがなかった。

でも、私の子供の世代は全く違う。小児科で診てくれたのは女医だし、住んでいたところの市長も女性。一世代の間にこれだけ女性にとっての働く機会が拡大したのです。」



今回のバイデン政権における女性の躍進のような華々しいものでなくとも、一人一人の挑戦や努力や忍耐の積み重ねが、着実にアメリカ社会に変化をもたらしているのだなと、しみじみ思いました。


わたしの身の回りでも感じる、女性の活躍

ちなみに、私の勤めている会社は、金融業界の同業他社と比較して、要職についている女性の比率が高い方だと思います。


社員120人くらいの小さな会社ですが、トップマネジメント五人のうちの一人、最高財務責任者(CFO)、リーガル・コンプライアンス部長、北米地域の共同営業部長(二人)が女性です。


組織の規模の違い等ありますが、日本の金融業界で働いていた時に、これくらい女性の進出が進んでいる会社には出会ったことはありませんでした。


ただ、組織の中で偉くなっていく、というのはあくまで一つの型に過ぎないですよね。


女性にとってキャリア、ひいては人生のかたちがもっと増えていって、その中で社会に与える影響が大きいポジションに就く女性も増えていけばいいな、と思っています。


みなさんも寒さとコロナウイルス含む体調にはお気をつけて。すてきな2021年にしましょうね!



このレポートを書いた人

海外編集部知子

ボストンでMBA留学後、ニューヨークで働き始めた知子です。留学前は日系・外資系の資産運用会社で働いていたアラサー金融女子。ネコとリスク・リターンのバランスがとれた(いわゆるコスパの良い)レストランが好きで、色々な場所をお散歩して回っています。なにか世の中に対して良いことをしたい!というアスピレーションを原動力に、しなやかに自分らしく生きるのが目標です。

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