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コラム

電力が足りない!今年始まる「節電ポイント」とは!?

「きんゆう女子。」では、ミレニアル世代にとって必要な”きんゆう”をテーマに情報を発信しています。「耳にしたことはあるけど、なんだか難しい!」と諦めがちなテーマをワカラナイ女子目線でお届けします!少しでも前向きになることを願って。

2022.8.18up!

あず

こんにちは!

きんゆう女子。オフィシャルメンバーのあずです。


今年の夏は厳しい暑さが続いてますね。東京都心では、猛暑日の歴代最多日数(14日)を更新したそうです。もはや冷房が欠かせない日々ですよね。と同時に心配になる電力不足。政府は6月末に、新たな施策「節電ポイント」の導入を発表しました。


電力会社が既に実施している「節電プログラム」に参加した家庭や事業者に対してポイントを付与するもの。発表後、その内容について厳しい声が上がっています。みなさんはご存知でしょうか。
 
私は、主要電力会社が実施している「節電プログラム」の存在は知りつつも、対象の電力会社を利用していないから関係ないかな……。と思っていました。みなさんもニュースで耳にしたものの、素通りしてしまうことはありませんか?
 
今回は「節電ポイント」の目的や内容だけでなく、電力事情も確認していきましょう。考え方や価値観は人それぞれ。正解はありません。少し立ち止まって、考える機会になれば幸いです。


 

「電力供給が厳しい」ってどういう状況!?

節電の話に入る前に、なぜ電力の需要と供給のバランスが崩れるのでしょうか。その原因のひとつが、電力供給力の低下です。供給力に影響している事項とはどんなことでしょうか。
 
 
日本はエネルギー自給率が低い国です。(2019年度で12.1%)2011年に起きた東日本大震災がきっかけとなり、原子力発電の停止などによって自給率が大幅に下がりました。



日本のエネルギー自給率

日本のエネルギー自給率

出典:2021-日本が抱えているエネルギー問題(経済産業省 資源エネルギー庁)



原子力発電は、安定供給可能というメリットがあるため、供給力に影響します。現在も自然災害により、予期せず発電所の稼働が停止する事態も発生しています。


 
日本はエネルギー資源が乏しく、海外から輸入した化石燃料(石油・石炭・天然ガスなど)に依存しています。原子力発電の割合が低下した分、化石燃料の依存度が高まりました。(2019年度 84.8%)



日本の一次エネルギー供給構成の推移

日本の一次エネルギー供給構成の推移


出典:2021-日本が抱えているエネルギー問題(経済産業省 資源エネルギー庁)



海外に依存していると、国際情勢に影響を受けやすいといったデメリットがあります。ロシアのウクライナ侵略などによって、燃料費が高騰し、燃料を入手しにくい状態となっています。
 
最近は再生可能エネルギー(太陽光・風力・水力)にも注目が集まっています。一方で、カーボンニュートラルが重要視され、火力発電所は徐々に廃止されています。自然由来のエネルギーを活用するためには蓄電技術が欠かせません。その技術に欠かせないのがレアメタルです。レアメタルも当然、海外からの輸入に頼っています。
 
電力の供給力が低下しているため、夏や冬の需要が高まる時期に電力不足が不安視されるということです。
 
このように、日本の電力供給を取り巻く環境が、私たちが利用する電気料金にも大きく影響します。電気料金も値上げしています。


 
電気料金平均単価の推移

電気料金平均単価の推移

出典:2021-日本が抱えているエネルギー問題(経済産業省 資源エネルギー庁)




節電ポイントの導入目的と内容は?

政府は、電力不足に対応するために、節電ポイントを導入することを決めました。
 
これまでも電力会社が独自で節電によるポイントを付与するしくみはありました。今回、各社が運営する節電プログラムに参加すると、以下の定額ポイントをさらに上乗せ支給するというもの。



出典:電気利用効率化促進対策事業費に関する補助金



特に条件はなく、参加すれば一律でポイントを受け取ることができます。ポイントは電子マネーやAmazonギフト券などと交換可能です。
 
上乗せ分のポイントは、国の費用で負担するしくみとなっています。
 
一方で、各電力会社が実施している節電プログラムは、指定する条件に応じてポイントやギフト券が進呈されます。その条件は、前年同月比と比較した削減率や削減量を求められたり、条件を満たしても抽選となる場合もあるようです。また転居等で前年実績がない場合は、エントリーできないことも。
 
必ずしも節電したからといって恩恵を受けられないため、もともと節電意識の高かった方には厳しい条件となります。さらに、プログラムを運営している電力会社も限られています。
 
国の費用を使うにも関わらず、国民全員が対象とはならず、不公平感があるという声が挙がっています。



主要電力会社の節電プログラム

・東京電力:夏の節電チャレンジ2022
・北海道電力:ほくでんの夏の節電キャンペーン
・東北電力:夏の省エネチャレンジキャンペーン
・中部電力:NACHARCE(ネイチャージ)
・関西電力:夏の節電プロジェクト2022
・九州電力:節電キャンペーン2022
・東京ガス:夏の節電キャンペーン
・J:COM電力:
J:COM電力節電チャレンジ!

※キャンペーンの申し込み期間を設定している会社もありますので、詳細は各電力会社のホームページで確認してくださいね

節電に有効なディマンド・リスポンスって?

ディマンド・リスポンスという考え方をご存知でしょうか。ディマンド・リスポンスとは、電力の供給力が不足しているため、需要側の電気使用量を制御していくという考え方です。


この取り組みによって、供給側と需要側が連携して電力使用量をコントロールできるようになります。



出典:電気利用効率化促進対策事業費に関する補助金



電力会社が提供しているアプリ等でご自身の電気使用量をチェックしたことはありますか?
 
リアルタイムに利用状況を把握できるのも、節電を意識づける取り組みのひとつですね。一般家庭だけでなく、工場や商業施設、教育施設やスーパーマーケットでも導入されており、節電効果が見られています。


あなたはどうする?

節電ポイントを受け取るには、各電力会社が運営している節電プログラムに参加することが条件です。国の費用であるものの、置かれている環境や条件によって利用できる人とそうでない人がいます。


各電力会社の節電プログラムに上乗せする必要があったのか?節電を促す目的として一律にポイントを付与するのであれば、基本料金を引き下げたり、節電効果の大きい事業者を対象とする考え方もあったのではないかと思います。釈然としない気持ちです。


節電ポイントは、2022年の一時的な取り組みなのか?今後については、詳しくは決まっていないようです。今後も政府の動きにも注目していきましょう。


とはいえ、電力供給が不安定であることは変わらないので、目の前のできることから取り組んでいきましょう。次回のコラムもお楽しみに。




参考サイト:
経済産業省 資源エネルギー庁
ディマンドリスポンス推進協議会
エネチェンジ


オフィシャルメンバー/ライターあず

「きんゆう女子。」の女子会に参加したことをきっかけに、マイペースに楽しくお金に向き合うことができました。そのおかげで、漠然としたお金の不安が少しずつ解消されてます。「お金は人生の選択肢を広げるツール」をモットーに、読んでくれるみなさんの"お金のモヤモヤ"が少しでも軽くなるような記事をお届けします。

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