金融ワカラナイ女子による、
ワカラナイ女子のための金融コミュニティ
身近な家計管理から世界経済まで、広い意味での「金融」をテーマに勉強する女子会を開催しています。女子会は、基本少人数制。同世代や同じ目線の方々が、安心して話せる場所になるよう工夫しています。「自分なりの判断基準」を見つけていくお手伝いをしています。
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取材レポート
9月3日から6日まで東京・丸の内で行われた「FIN/SUM 2019 -新しい成長の源泉を求めて-」へ行ってきました! *FIN/SUMとは…日本経済新聞社と金融庁が共催する日本最大のフィンテック&レグテック カンファレンスです。
2019.9.19up!
こんにちは♪
きんゆう女子。オフィシャルメンバーのかなこです。
もしお店で「お支払いは現金とキャッシュレスのどちらにしますか?」と聞かれたら
恐らくキャッシュレスと答える金融系営業職のアラサー。
それが私。
とはいえ、Suicaとクレジットカード払いで買い物はするが、
実はその他のキャッシュレスサービスをほとんど使ったことがない。
特にいま巷で流行りの「○〇ペイ」系の各種サービスはスマホにダウンロードしたことすらない。
理由は明白。
「なんとなく使うのが怖い」からだ。
怖いと思うのにはワケがある。
私の趣味は映画鑑賃で、よく SF作品などで描かれる「管理社会」「ディストピア世界」の印象が強く、各種サービスの利用=提供元の企業に個人情報を渡す=自分の意図しないことに利用されそうで嫌だなぁ怖いなぁと考えているからだ。
そうぼんやり思っている最中に FINSUM のイベントを知った。
いわゆる金融世界になじみのない情報弱者が取り残されないために、
これから皆でどうするべきかを世界各国の有識者を交えて考えるイベントだ。
いろんなテーマがあったがキャッシュレスが自分にとって一番身近な話題だと思い、
「アフターデジタルで変わるキャッシュレスの世界」というプログラムに参加してみた。
(↓講演のあったホール。ブルーのライトが眩しすぎる)
皆さんご存じの高級感あふれるファミレスのロイヤルホスト。
実は現在、馬喰町にある「ギャザリングパントリー」という店舗に力を入れているそう。
なんとこの店舗、“研究開発店舗”という位置づけで注文する際は全てセルフォーダー&会計はキャッシュレスのみ。
現金お断りという注意書きまである。
そのほか事務やマネジメントをテクノロジーに任せていこうという考えのもと運営しているというから驚きだ。
その理由は2つ。
①会長が最も危惧しているもの=今後の産業モデルのあり方
今までは店舗数を増やす、業務運営は画一性·効率性·スピードが重視されていたという外食産業。
だが時代は変わり生産性の低下、とりわけ人口減少に伴い働き手の確保ができなくなった。
これまでは「すべての市場が拡大しており、売れば働く人も確保できる」のが当たり前だった。
しかしこれからは「拡大する市場の領域が限られてくる(シニアやインバウンド領域が拡大する)」「働き手も確保ができなくなる」。
その流れに対応できない企業からどんどん淘汰され、市場から脱落していく時代になったとのこと。
また、会長日くサービス業はある一定の規模を超えると
価値が下がる(店が増えすぎて飽きられる、陳腐化、人手不足が始まる、良い食材が使えなくなる)らしい。。。
しかも人手不足によりその「価値の下がる」タイミングが早まる。
そのタイミングを少しでも遅らせるために取り入れたのがテクノロジーだった。
(↓今後の外食産業はこのグラフで表すと右上から左下への変化=規模の成長から質の成長へシフトしていくとのこと)
②顧客満足と社員の疲弊度は比例する
これは「どちらか一方のみが満足するということは、もう一方を犠牲にせざるを得ない」 という状態である。
この場合、 犠牲になるのは現場で働く社員。
そんな彼らに現場の一番の負担は何かというと「現金を扱うこと」という答えが返ってきた。
それならば現金の取扱いをやめてみよう、と始まったのがパントリーでの完全キャッシュレスだ。
現金を使わないからレジの現金締め作業が不要となり、働き方改革と生産性向上の実験の一環と続けている。
そもそも外食産業において価値を生み出すものは何か?それは「接客調理分野」であると会長は考えている。
この分野はテクノロジーではなかなか実現できない。
ホスピタリティやクリエイティビティなど「人が人に付加価値を生み出すことができる領域分野」だからとのこと。
そこに効率よく人員を割き、それ以外の事務作業などはテクノロジーを積極的に導入していきたい。
それがロイヤルホストなりの解釈であり、答えであるという講演だった。
私がこの話を聞いて強く感じたことは
これから将来を見据えた上で「うまい料理を最もコスパよく作るためには何が必要か?」ということ。
顧客も働く社員も誰もが犠牲にならない最善の方法で産業を回すことが重要ということだと思う。
今まで、キャッシュレス導入を社員の負担軽減のためという視点で捉えたことがなかった私には斬新なアイデアだと感じた。
外食業界に限らずこれからの産業には恐らく顧客も社員もまとめて「人」と捉え、
その「人」がコスパよくサービスを提供・享受しようとする企業が生き残っていくのだろう。
東京オリンピック·パラリンピックや大阪万博を控え、
外国人客が増えることが予想される現在、国はキャッシュレス推進をするようになった。
彼らはキャッシュレスに慣れおり、そんな彼らに「現金のみ」と言えば商機を失いかねない。
「AかBか選べ」と提案する時代から顧客があらゆる選択権を持ち、企業が取捨選択される時代へ。
講演後、そこには「とりあえず10月の消費増税前に1度ギャザリングパントリーに行ってみよう」と思う私がいた。
店内は「コンクリート打ちっぱなしのお洒落な空間」でした。
また壁に小型テレビ(?)が埋め込まれており、パントリーで提供される食べ物がロイヤルホストの自社工場(セントラルキッチン)でどのような過程で作られているのか?という映像が流れていました。
通常店舗との差別化・実験店舗としての運営方法にロイヤルホストのこだわりと信念を感じられる内容でした。
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