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コラム

企業の大量解雇から考えよう「私たちの働き方」

「きんゆう女子。」では、ミレニアル世代にとって必要な”きんゆう”をテーマに情報を発信しています。「耳にしたことはあるけど、なんだか難しい!」と諦めがちなテーマも、ワカラナイ女子目線でお届けします!少しでも前向きになることを願って。

2022.11.25up!

あず

こんにちは!


きんゆう女子。オフィシャルメンバーのあずです。


11月に入り、米大手IT企業の大量解雇のニュースを耳にされた方も多いのではないでしょうか。

「そんなにすぐに解雇できるものなの!?」「私の会社は大丈夫かな」と思いを巡らせた方もいらっしゃるのと思います。そこで今回は、「雇用」をテーマに選びました。


私たちが置かれている環境、日本の雇用について一緒に考える機会にしていきましょう。


そもそも解雇って?

 米Twitterを買収したイーロン・マスク氏。マスク氏が、11月初旬に従業員の約半数を解雇したというニュースを耳にされた方も多いのではないでしょうか。


また、 AmazonやMeta(旧Facebook)も大量解雇を計画していると報道されています。

それぞれの企業が置かれている環境、今後の成長を見据えた判断と見られていますが、唐突にも思える解雇。そもそも解雇とは何でしょうか。厚生労働省では、労働契約終了に関するルールを定めています。


解雇とは、使用者(会社など)からのからの申し出による一方的な労働契約の終了のことを指します。


とはいえ、使用者は解雇をいつでも自由に行っていいわけではありません。労働契約法では、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」と定められています。


つまり、社会的に納得度の高い理由があること、解雇が正当かどうかが必要ということです。

また、労働契約法以外の法律でも解雇が禁止されているケースもあります。


<労働基準法>
・業務上災害のため療養中の期間とその後の30日間の解雇
・産前産後の休業期間とその後の30日間の解雇
・労働基準監督署に申告したことを理由とする解雇

<労働組合法>
・労働組合の組合員であることなどを理由とする解雇

<男女雇用機会均等法>
・労働者の性別を理由とする解雇
・女性労働者が結婚・妊娠・出産・産前産後の休業をしたことなどを理由とする解雇

<育児・介護休業法>
・労働者が育児・介護休業などを申し出たこと、又は育児・介護休業などをしたことを理由とする解雇

参照:労働契約の終了に関するルール(厚生労働省)


 

解雇には区分がある

「解雇」にもいくつかの区分があります。みなさんも一度は耳にしたり、会社が定めている就業規則をご覧になったことがあるのではないでしょうか。



・懲戒解雇:企業の秩序を乱した労働者に対する制裁で、解雇の中でも最も重いものとされています。
・整理解雇:不況や会社の経営不振など、事業を継続するのが困難な場合に行われるものです。
・普通解雇:健康状態の悪化による労働能力の低下や勤務態度によるもの、不正行為や業務命令違反など、使用者と労働者の間で信頼関係が破綻した場合に行われるものです。


特に整理解雇においては、以下の4つの視点で有効性が判断されるようです。

①人員削減が本当に必要か
②配置転換や希望退職者の募集など、解雇を回避するために努力したか
③対象者を決める基準が客観的かつ合理的であり、運用も平等であること

④解雇が必要であることや実施時期・規模などについて納得を得られる説明をすること

参照:知って役立つ労働法(厚生労働省)


近年日本において、新型コロナウイルス感染症の影響により、解雇などの雇用調整を受けた人数は約138,000人と発表されています(2022年11月18日時点)。日本においても、会社が置かれている環境の影響により、解雇が発生しています。

参照:新型コロナウイルス感染症に起因する雇用への影響に関する情報について(厚生労働省)



日本の雇用形態 

さまざまな観点で正当性があるかを判断される解雇。このように細かなルールが設定されている背景には、日本の雇用形態が影響していそうです。


日本の主な雇用は、「メンバーシップ型」と言われる形態です。

会社の理念や風土にマッチした人材を新卒一括採用し、仕事を通して教育訓練、さまざまな職種を経験させながら、人に仕事を紐付けていく雇用形態です。


基本的には、長い期間をかけて会社で働くことを前提としています。そのため、失業するリスクが低いです。 相当な理由がない限り解雇が起きにくいシステムでもあります。


一方で、日本以外では「ジョブ型」と言われる形態がとられています。 仕事と人が紐づいた雇用形態です。職務内容や責任の範囲など、あらかじめ働く条件を明確にして、会社側と労働者が雇用契約を結びます。


会社ではなく、仕事内容に焦点を当てた契約といった観点からも、担当する仕事がなくなれば、解雇される可能性が高まります。今起きている大手IT企業の解雇は、ジョブ型雇用であるからこそ起こっているものと考えられます。


日本では、雇用形態や労働契約におけるルールが影響し、解雇が起きにくいシステムになっていそうですね。
参照:日本的雇用慣行とは?ジョブ型雇用との違いや今後について解説(Professional Recruitment)


これからの働き方

日本でも、管理職や専門職を対象に、日立製作所、富士通、資生堂といった大企業でジョブ型雇用を採用する動きが出てきています。解雇以外には、どのような特徴があるのでしょうか。


メンバーシップ型とジョブ型のメリット・デメリットは下記のような項目が挙げられます。


メンバーシップ型

<メリット>

・勤続年数や年齢によって給与が上がっていく

・同じ会社にいながらも、さまざまな職種や役職を経験できるチャンスがある

・さまざまな仕事を通じて、好きな仕事や得意なスキルを見つけることができる

<デメリット>

・働く場所や配置は会社に委ねられており、自分の思い通りにならないケースもある
・高い専門性が身につきにくい


ジョブ型

<メリット>
・自分のスキルを最大限発揮することができる
・働く上での条件が明確で、ミスマッチが起きにくい
・定められた業務に集中することができる

<デメリット>
・成果を発揮し続けるために、自分でスキルを磨くことが求めれれる


参照:日本的雇用慣行とは?ジョブ型雇用との違いや今後について(Professional Recuitment)





大手IT企業の大量解雇を切り口に、あらためて労働におけるルールについて見てきました。


まだ好きな仕事や得意な仕事が見つかっていないのであれば、ゼネラリストとしてさまざまな経験を積んでみることも選択肢のひとつだと思います。すでに専門性を身につけて、ある職種で働くことがイメージできているのであればジョブ型の雇用を求めてみるのも考え方のひとつでしょう。


どちらにもメリットとデメリットがあり、どちらが良いかどうかということではありません。ぜひこの機会に、ご自身が勤めている企業の就業規則を見直したり、働き方について考える機会となれば幸いです。


それでは次回のコラムもお楽しみに。

オフィシャルメンバー/ライターあず

「きんゆう女子。」の女子会に参加したことをきっかけに、マイペースに楽しくお金に向き合うことができました。そのおかげで、漠然としたお金の不安が少しずつ解消されてます。「お金は人生の選択肢を広げるツール」をモットーに、読んでくれるみなさんの"お金のモヤモヤ"が少しでも軽くなるような記事をお届けします。

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